1959年、佐賀県生まれ。1978年、横浜市立大学医学部卒業。85年から三井記念病院にて6年間の内科レジデント研修を終えた後、98年まで横浜南共済病院に勤務。その後、帝京大学医学部第四内科講師として教育職を経験。2000年に田村クリニックに参加し、現在に至る。医学博士、日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医。
めぐみ会のなかで最大の診療所である田村クリニックには、常勤医が20名ほど在籍しており、診療室をシェアしながらそれぞれが予約制の診察をしています。来院患者数は季節変動が大きいですが、冬場には1日約700名が受診されます。皆さまに良質な医療を提供するため、より専門性の高い疾患について専門外来を設け、経験豊かな専門医が診察しています。
ちょっと前まで「開業医は病院より一段劣るもの」と思われていたようですが、大学病院や総合病院でそれなりのポジションを経験した上でめぐみ会に入職するドクターがどんどん増え、その評価は変わりつつあります。病院は今後、入院が必要な検査や治療に特化していくと思います。クリニックはその外来部門が分離したもの、と考えると理解しやすいかもしれません。
田村クリニックは外来診療だけではありますが、医師としての働きがいがある場所です。病院と変わらないレベルの病気を抱えた患者さまが来院されますので、積み重ねた知識や経験を活かすことができます。院内にはCTやMRIをはじめ検査機器が充実しており、経鼻内視鏡検査や大腸内視鏡検査など高度な検査にも対応していますから、病院と比べて遜色のない治療をすることができます。
外来診療は医療行為の中で、とても重要な役割を担っています。患者さまの訴えに耳を傾け、確定診断のための必要な検査や病気の治療につなげる最初のステップであり、初期治療が終了したあとの再発予防や健康維持の意味合いも大きいと思います。患者さまは、診断が付いていない段階で来院されることが少なくありませんから、自分の専門分野の病気しかわからないでは役に立ちません。私も専門は循環器疾患となっておりますが、むしろ内科ジェネラリストであります。病気が軽症であれ重症であれ、その時々の病状を把握し、治療への道筋を立てた上で、一般の人にもよくわかる言葉で説明することが大事です。
患者さまが我々の診療に満足し、田村クリニックを受診して良かったと思っていただくことが医師としてのやりがいです。我々の診療スタイルはクリニック内に広い視野を持った専門医を揃えることで、外来診療で済むことは極力、クリニックで行い、入院検査や入院治療が必要な場合には迷わず、適切な病院へ依頼するというものです。こうしたスタイルはこれからの診療所の標準的な診療スタイルになると確信しています。