2011年02月01日
1、過活動膀胱
頻尿の原因として最近話題なのは、過活動膀胱といわれるものです。
高齢男性の場合は、前立腺肥大症に伴うものが最も多いようです。一方、女性の場合は、骨盤底筋が年齢と共に弱くなることが原因であったりしますが、多くは原因が特定できません。症状としては、昼間の頻尿( 8回以上)、夜間頻尿( 1回以上) の他に、急にトイレに行きたくなり、我慢できない感じ( 尿意切迫感) や間に合わなくて漏らしそうになる( 切迫性尿失禁)などです。
2、膀胱知覚過敏( 過知覚膀胱)
膀胱の知覚過敏という状態は以前より指摘されていましたが、最近東京大学の本間教授らにより、過知覚膀胱という概念が提案されました。症状としては過活動膀胱と同じく昼間や夜間の頻尿を認めますが、急に行きたくなる感じや間に合わなくて漏らすようなことはあまりありません。どちらかというと、いつもトイレに行きたい感じがある、いつも下腹部に違和感を感じる、といった症状が続きます。膀胱知覚過敏がさらに悪化した状態が間質性膀胱炎という、原因がよくわからない慢性膀胱炎といわれています。
3、残尿( 排尿した後に膀胱に尿が残る) が多い場合
残尿が多い場合も頻尿の原因となります。症状は昼間や夜間の頻尿の他に、切迫感や切迫性尿失禁など過活動膀胱とよく似ています。通常、本人に残尿感( 残った感じ)はあまりありません。この状態を過活動膀胱と診断して抗コリン薬を飲み続けますと、よくならないばかりか残尿量が増え、腎臓に悪影響を与えるようになります。
4、多飲多尿(水分の取り過ぎ)
水分を過剰に取るために尿が近くなる方がいます。血液がサラサラになるために、というようなことで水分摂取が推奨される傾向にありますが、必要以上に摂取しても排泄されるだけで、場合によっては心臓や腎臓に負担をかけることがあります。排尿日誌( 何時にトイレに行き、何ml出たか1日を通して記録) を書くとよく分かります。
いずれにしても各個人で異なってきますので専門医に相談すべきでしょう。