医療法人社団 めぐみ会

ドクターズコラム
Doctor's Columns

2009年12月01日

血尿・尿潜血について

あなたは、尿に血が混じった、あるいは健康診断などで尿潜血があると言われたことはありませんか? 尿潜血とは目では見えない血が尿に混じっていることを言います。治療がいらない生理的な血尿のこともありますが、中には重大な病気が潜んでいることがあります。血尿を見ることのある病気をあげてみます 

膀胱がん 

症状の特徴としては、専門的には無症候性の血尿、つまり排尿時の痛みなどの他の症状があまりない血尿のことです (ただし頻尿などの症状を伴うこともあります)。一度血尿が出た後、すぐに止まって、一見良くなったかのように見えることもあります。診断には膀胱鏡が有用です。最近の膀胱鏡は軟性鏡と言って比較的軟らかい材質でできており、検査の際、あまり痛みなく受けられます。喫煙歴は重要な危険因子です。早期であれば内視鏡により手術も可能です。いずれにしても膀胱鏡検査は重要です。 

腎臓結石・尿管結石 

尿路の結石では血尿や尿潜血を伴うことが多く見られます。それに加え痛みの発作を伴うことが多く見られます。痛みは腰部から、わき腹、下腹部に見られます。尿管結石が移動し膀胱に近づくと、頻尿や残尿感といった膀胱炎のような症状を認めることがあります。診断にはレントゲンや超音波検査、CTなどが有用です。小さなものは自然排石を試みますが、大きなものは処置が必要になります。放置しておくと腎臓の機能に悪影響を与えることもあります。 

急性膀胱炎・急性前立腺炎 

膀胱や前立腺の細菌による感染により起こった炎症です (急性前立腺炎は男性のみ)。排尿時の痛みや違和感、頻尿などに加えて血尿を認めることがあります膀胱炎は女性に多く、大腸菌の感染が多くを占めています。膀胱炎を放置しておくと腎臓にまで炎症が及び、腎盂腎炎となり、高熱や腰痛が現れるようになりますまた男性の場合の急性前立腺炎では発熱が見られます。高齢者では重症化することもあります。 

その他 

腎臓の腫瘍などでも血尿が見られることがありますので、超音波検査も有用です。いずれにしましても心当たりのある方は、泌尿器科にご相談ください。

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