2014年5月23日
夜の頻尿(夜間頻尿)とは、夜、おしっこのために1回以上起きることです。1回はまだしも、2回以上だと生活の質 ( QOL ) の低下に強く関与することとなります。
60歳以上の人は男性、女性に関わらず、約8割の方が何らかのおしっこに関する症状を有しているとされています。その中でも最も頻度の高い症状が夜の頻尿で、2人に1人が自覚していると言われています。
原因は何でしょう?
泌尿器科の病気でいえば前立腺肥大症が重要となります。前立腺肥大症と夜間頻尿は密接に関連しており、頻尿を訴える高齢男性に最も多い原因といえます。前立腺肥大症は薬による治療で症状を改善できる可能性があります。薬で効果が不十分な場合には手術という選択肢もあります。
もう一つは過活動膀胱です。前立腺肥大症は男性に限った病気ですが、過活動膀胱は男女を問いません。「突然に起こる耐え難い尿意」を自覚されたことがある方は過活動膀胱の可能性があります。こちらも内服治療で改善が期待されます。 他にも例えば糖尿病や腎臓病、脳の障害やホルモンの分泌低下、高血圧や心臓病等いろいろな病気が組み合わさっている可能性があります。また血がさらさらになると勘違いして水分を摂りすぎることも原因となります。 おしっこに関しては自覚症状がある人でも医療機関を受診する人は男性で約3割、女性では1割しかいないと言われています。恥ずかしいとか、歳のせいだと諦めずに、まずは一度専門医を受診し、ご自身の頻尿の原因が何であるのかを特定し、それに対する適切な治療を受けられることをお勧めします。
担当クリニック:南大沢メディカルプラザ、杉並堀ノ内クリニック